作業特性との関連

 過去3年間でCRTは3割から1割に減少している。LCD産業の従事者が回答者に多いとはいえ、CRTからLCDへの代替は予想以上に急激である。来年度はCRTはサンプル数が少なすぎて他のディスプレイとの比較に堪えないだろう。
 LCDノートの増加率の上昇も顕著。JEITAの昨年度の調査結果ではノートPCの出荷台数は57%である。数年内にPCの6割がノートになると予測できる。
使用ディスプレイ
 過去3年間では、1日あたりのディスプレイ作業時間が毎年30分間延長している。どこかで清算することになろう。

 LCDノートの延びが若干大きいのが気になる。
1日あたりのディスプレイ作業時間
 作業時間の延長によって、目の疲労感も高まる。5時間以上では有意差なし。9時間以上で若干低下しているように見えるのは専従作業の作業内容の違いかもしれない。
 左の結果メニューの「回答者の属性と作業時間」を参照されたい。
終業時の目の疲労感

 

 ディスプレイの種類によって,終業時の目の疲労感に有意差は認められなかった.

 昨年度はLCDノートユーザーがLCDモニターユーザーより有意に目の疲労感が高かったが、本年度の調査ではいずれの間にも有意差は認められなかった。

 ただし、次に示す長時間使用におけるノートユーザーで訴えが高いのが気にかかる。

ディスプレイ別の終業時の目の疲労感
 1日8時間以上の長時間使用では、モニターよりノートによる目の疲れの訴えが有意に高い。

 この傾向は、次の身体部位の訴えにも一部認められる。
LCDモニターとLCDノートにおける作業時間と目の疲れ
 モニターとノートの長時間ユーザーでは身体部位の訴えにも差がありそうである。
 手首と脚に有意差が認められる。
8時間以上のユーザーにおけるLCDモニターとLCDノートにおける身体部位の訴え
 昨年度と比較しても表計算と電子メールが増加している。CRTはCAD/CAE、ソフトウェア開発、画像処理・加工などの特殊用途の比重が高まっている。
最も長時間使用するアプリケーション
 主に使用しているアプリケーションがワープロと回答した群の目の疲労感が有意に高かった。ワープロは他の作業いずれとの間にも有意差が認められた。
最も長時間使用するアプリケーションと目の負担との関係
 ワープロは身体部位の負担も大きい。電子メールを主に利用するユーザーは身体部位の負担が比較的軽いように見える。電子メール作業は、一連続の作業時間が短いという特性が関係しているのかもしれない。
アプリケーションと身体部位の負担との関係